派遣会社を介さない家庭教師の個人契約に潜むリスク
派遣業者を介さない家庭教師の個人契約が、インターネットを中心に広がっています。こう言うと新しいサービスが始まったかのように聞こえますが、家庭教師の個人契約は昔から存在していました。最も身近な個人契約の例としては「近所の知り合いの学生さんに頼む」というスタイル。「契約」という言葉は使わないまでも、これも立派な契約のひとつです。
つい最近では、SNS(mixiなど)を通じて家庭教師を募集する方も出てきました。それから徐々に個人契約が注目され始めて、掲示板やポータルサイトなどもちらほらと立ちあがってきて、ついに個人契約専門の仲介サービスを始める業者が登場しました。
このように個人契約という考え方が広がってきた背景には、家庭教師の指導費用の高さが1番の理由として挙げられます。たしかに、一般的な家庭教師派遣センターで契約する場合、指導料に加え、入会金や教材費、紹介料などが必要になることも。個人契約の場合、必要なのは指導料と交通費のみで、近所の学生などであれば、交通費も不要です。
派遣センターから派遣される家庭教師は、完全に「仕事!」という気持ちでやってきます。これは子供に緊張感を与える上に、時間が来たらきっちり帰っていくような、仕事上の関係になりかねません。一方個人契約では、会社との契約でないので、お互いにリラックスして、アットホームな関係を築くこともできます。子供にとっても相談相手となるお兄ちゃん、お姉ちゃんができたような気持ちで楽しく勉強できるかもしれません。
このように、個人契約はメリットばかりのようですが、最近では様々なトラブルが発生しており、訴訟などに発展する事例もあるようです。以下で、注意すべき点について紹介します。
家庭教師の個人契約に潜むリスク
■子供と相性が合わなかった場合、変更がきかない
生徒と家庭教師の相性が合わなかった場合、派遣会社の場合は何度でも変更を申し出ることができます。性格の不一致は子供のやる気にも大きく関係しているので、個人契約の際でも、この点はしっかりと吟味したほうがいいかもしれません。
■受験に対するサポートや情報がない
派遣会社の場合、受験にかんする最新の情報を入手することができます。個人契約で、特に学生アルバイトの場合、優先すべきはまず自分の勉強なので、生徒の受験について情報を集めるようなことはしてくれません。
■万が一、トラブルが発生すると…
もっともトラブルの原因となりやすいのが、金銭的な問題です。個人契約の場合、両者間で細かな規定を定めていない場合が多く、万が一もめてしまった場合、両者だけで処理しなければなりません。
個人契約は学歴詐称などの問題もあるようで、あまり信用しすぎると失敗してしまうこともあります。以上の注意点を踏まえつつ、慎重に選んでくださいね。